風邪の引き始めの正しい対処方法を知りましょう!

Treatment for an early cold
内田直樹(うちだなおき)先生
監修:内田直樹(うちだなおき)先生

昭和大学医学部 薬理学講座 臨床薬理学部門 教授
昭和大学卒。2014年4月より現職
日本臨床薬理学会 指導医・専門医

風邪は引き始めからの早めの対処が肝心です。ゾクゾクした寒気(悪寒)やだるさ、鼻水、のどの痛みなど、初期症状のサインを感じたときの正しい対処方法をご紹介します。


風邪の症状はなぜ起こるの?
初期症状のサインとは

風邪の引き始めに症状が起こる仕組み

風邪の原因となるウイルスが鼻やのどの粘膜に付着して増殖すると、粘膜や周囲の組織に炎症が起きます。この炎症によって、のどの痛み、くしゃみ、鼻水などの初期症状があらわれるのです。
さらに体の免疫が活発になり、ウイルスを排除するために体温を上昇させると発熱やそれに伴う寒気(悪寒)、ふるえがみられます。同時に頭痛、筋肉痛・関節痛、だるさ(倦怠感)もあらわれやすく、これらを風邪の引き始めのサインと感じる人もいます。

風邪の引き始めのイメージ

引き始め対処方法の
よくある勘違い①

風邪薬は症状がひどくなってから飲めばいい?

風邪の引き始めと思っても、仕事が忙しかったりまだ元気があったりすると、まだまだ大丈夫と頑張ってしまうことがあるかもしれません。しかし、症状がひどくなってからの対処では体力が消耗してしまい、風邪が長引いたり、風邪をこじらせたりしてしまう可能性があります。のどの痛み、くしゃみ、鼻水、寒気(悪寒)やだるさ(倦怠感)など、風邪の引き始めのサインがあったら、早めに対処をはじめましょう。

引き始めからの対処で、ウイルスと戦う体をサポートしましょう

風邪を治すのは体に備わった免疫力にかかっています。ウイルスと戦う体の免疫力を助けるために、引き始めから対処することが大切です。
風邪を引くと体は免疫を活発化させウイルスを排除するために体温を上昇させます。このときの発熱は体力を消耗するため、引き始めから早めに休養と睡眠をとって体力の維持を心がけましょう。寒気(悪寒)を感じるときには体温の上昇を助けるよう、部屋や衣服を暖かくし、体を温める食べ物・飲み物を摂ることもおすすめです。
また、体力を消耗するつらい症状を緩和してくれる風邪薬や、葛根湯など体を温める生薬が配合された風邪薬も、ウイルスと戦う体をサポートしてくれるでしょう。


引き始め対処方法の
よくある勘違い②

スタミナをつけるために食欲がなくても頑張って食べる?

風邪を引くと体力が消耗されるため、栄養のある食事を摂ることは大切です。発熱がなくまだ元気なときには、バランスの取れた通常の食事で問題ないでしょう。しかし、食欲がないときに無理に食事を摂ることは禁物です。特に、スタミナをつけようとステーキやこってりした炒め物などの高カロリー・高たんぱくの食事を摂ると、消化に負担がかかるだけでなく、かえって体力を消耗させてしまうかもしれません。風邪で食欲のないときには、消化の良いものを、無理なく食べられる量だけとり、水分補給に気をつけるようにしましょう。

風邪のときの食事の摂り方

風邪のときは、発熱などでエネルギーが消費されるため、たんぱく質よりも糖質(ご飯、パン、麺など)を中心とした食事がおすすめです。食欲や消化機能が低下することが多いため、低脂肪で良質のたんぱく質を含む消化の良いもの、薄味でさっぱりした食べやすい料理を選ぶようにしましょう。
食欲のないときには無理に食べる必要はありません。食事をとれないときは、経口補水液やスポーツドリンク、野菜スープなどで水分と電解質の補給を心がけましょう。
風邪の引き始めで少し食べられる時期や、回復期には、おかゆ、柔らかく水分の多い煮込みうどんや雑炊など、温かく消化のよいものを、少しずつ食べるとよいでしょう。

なお、吐き気と嘔吐(おうと)、強い腹痛、水のような下痢がみられる場合は風邪による胃腸症状ではなく、感染性腸炎や食中毒などの可能性もありますので、早めに医療機関を受診しましょう。


引き始め対処方法の
よくある勘違い③

風邪っぽいのでお風呂は控える?

適度に体を温め清潔にしてリラックス効果が得られる入浴は、高熱でぐったりしているような場合を除き、風邪のときも控える必要はありません。ただし、湯冷めするとかえって体調を悪化させることもあるため、浴室や脱衣場所を暖め、湯上り後はすぐに服を着るなど、体を冷やさない配慮が重要となります。体力を消耗させる熱すぎる湯温や長風呂を避けることも大切です。
なお、高齢者や乳幼児については、体調をよく観察して、発熱やつらい症状があるときは入浴を控えたほうがよいでしょう。

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MAT-JP-2111936-1.0-03/2022 最終更新日:2022.3.31

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