
風邪をひいたとき、「ビタミンCやビタミンB1をとった方がよいのだろうか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この2つのビタミンは、体の調子を保つために必要な栄養素です。直接的に風邪を治すことや回復を早めることに関わるわけではありませんが、風邪のときは食欲が落ちやすく、食事量が減ることで、普段より栄養をとりにくい状態になりがちなので意識してとると良いでしょう。
この記事では、風邪のときにビタミンCやビタミンB1を意識したい理由と、食品から無理なく取り入れる方法を紹介します。

監修:渥美 まゆ美(あつみ まゆみ)先生
株式会社Smile meal 代表取締役
管理栄養士、フードコーディネーター
出版、メディア出演、レシピ開発、レストランやコンビニのメニュー開発などをするとともに、企業向け健康セミナーの講師や企業の健康経営サポートサービス、料理教室、高齢者向け介護予防教室など健康サポート事業にも携わる。
ビタミンC・B1が体の調子を支えるしくみ
ビタミンCとビタミンB1は、体の調子を保つうえで大切な栄養素です。体調がすぐれないときにも、意識して取り入れたい成分です。
ここでは、これらの成分が体の中でどのような役割を持つか紹介します。
ビタミンCが免疫機能の一部に関与する理由
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持に関わるほか、免疫機能の一部に関与する成分です。体の調子を保つために必要なビタミンのひとつであり、風邪のときに意識したい成分としてあげられます。
人の体内では、ビタミンCを合成できません。そのため、日々の食事から取り入れる必要があります。また、水に溶けやすい性質があり、必要量を超えて吸収された分の多くは尿中に排泄されます。
水溶性ビタミンは、体内の蓄積量も多くありません。一度に多くとるよりも、毎日の食事から少しずつ取り入れるようにしましょう。
風邪のときは、食欲が落ちたり、食事内容が偏ったりしがちです。普段より食べる量が少ないと、必要な栄養を食事から取り入れにくくなるため、体調に合わせて補うようにしましょう。
ただし、多くとればよいというわけではありません。体の調子を保つために必要なビタミンとして意識することが大切です。
ビタミンB1とエネルギー代謝の関係
ビタミンB1は、糖質からエネルギーをつくる代謝に関わる栄養素です。食事からとった糖質は、そのままでは体のエネルギーとして利用できません。この代謝を進めるうえで、ビタミンB1が必要になります。
風邪をひいているときは、発熱や体力の消耗によって、だるさや倦怠感を感じやすくなります。こうした時期は食事量が減り、主食や主菜を充分にとれない場合があります。
ビタミンB1は水溶性ビタミンであり、体内の蓄積量も多くありません。そのため、体調がすぐれない時期も、食事から取り入れる必要があります。
食事量が少ないと、糖質だけでなく、その代謝に関わる成分も不足しやすくなります。体の調子を保つためにも、食べられる量に合わせて、主食と主菜のどちらか一方に偏りすぎないよう意識しましょう。
風邪のときのビタミンC・B1の取り入れ方
風邪のときは、発熱やだるさで食欲が落ち、食事量が減ることがあります。食べる量が少なくなると、ビタミンCやビタミンB1を含む食品もとりにくくなります。体の調子を保つためにも、食べられる範囲でこれらの成分を含む食品を取り入れましょう。
ビタミンC・B1を含む食品
ビタミンCとビタミンB1は、身近な食品に多く含まれています。
【ビタミンC】
果物や野菜、いも類に多く含まれます。
キウイ、いちご、みかんなどの果物はそのままでも食べやすく、ブロッコリーやパプリカ、じゃがいもは加熱料理に使いやすい食品です。
キウイ、いちご、みかん、ブロッコリー、パプリカ

じゃがいも

【ビタミンB1】
主に豚肉、豆類、卵などに含まれます。豚肉は薄切りや細切れにして汁物に加えると食べやすくなります。また、豆類は豆腐や納豆など、加工食品としても取り入れられます。卵は雑炊やスープに加えやすい食材です。
豚肉

大豆、豆腐、納豆

卵

食品を選ぶ際は、栄養素だけでなく、調理のしやすさや食べやすさも考えて選びましょう。
たとえば、果物はそのまま食べるほかにも、ヨーグルトやアイスクリームに添えると食べ方の幅が広がります。野菜やいも類は、スープや煮物にすると、食べやすくなります。
なお、ビタミンCを含む食品とビタミンB1を含む食品は、どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。主食に卵や豆腐を合わせる、スープに野菜を加えるなど、食事の中で組み合わせて取り入れるとよいでしょう。
食欲がないときの工夫
風邪で食欲がないときに、普段と同じ量を食べようとすると負担になる場合があります。まずは、水分をとりながら、口にしやすいものを少量ずつ取り入れるとよいでしょう。
以下のように工夫すると、食欲が落ちているときでもビタミンを補いやすくなります。
果汁100%ジュース:ビタミンCを含む果物を、飲み物としてとることができます。食欲がないときでも口にしやすい場合があります。

ゼリー飲料:のどごしがよいため食欲がないときに取り入れやすいのが特徴です。エネルギーやビタミンを含む商品を選ぶ場合は、栄養成分表示を確認しましょう。

スープ・みそ汁:豚肉や野菜を加えることで、ビタミンB1やビタミンCを含む具材をやわらかく食べやすい形で取り入れることができます。

おかゆ・雑炊:消化への負担が比較的少なく、卵や豆腐を加えることで栄養を補いやすくなります。

風邪のときは、まず口にしやすい飲み物ややわらかい食事から始め、体調に合わせて食べられるものを少しずつ増やしていきましょう。
つらい症状があるときの市販薬の活用
風邪をひいたときは、食べられる範囲で栄養素を補い、休養と水分補給を意識しながら過ごすことが基本です。ビタミンCやビタミンB1を含む食品を取り入れるだけでなく、発熱や発汗があるときは水分が不足しやすいため、こまめに水分をとりながら、体を休める時間を確保しましょう。
一方で、発熱、鼻水、のどの痛み、咳などの症状がつらい場合は、食事や休養だけで我慢せず、症状に合わせた市販薬の活用も選択肢になります。
市販の風邪薬は、症状に対応した成分が配合されています。市販薬を使用する際は、自分の症状に合ったものを選び、用法・用量を守って使用しましょう。
ただし、持病がある方、妊娠中・授乳中の方、ほかの薬を服用している方は、購入前に薬剤師や登録販売者に相談してください。
なお、症状が長引く場合や高熱が続く場合、症状が悪化する場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
つらい症状がある場合は、市販薬の活用も選択肢に入れ、体調に合わせて無理のないケアを行いましょう。
よくある質問
はい、非常に重要です。
ビタミンCは体の調子を保つうえで欠かせない水溶性ビタミンのひとつです。コラーゲンの生成に関わるほか、体内で起こる酸化反応から細胞を守る働きにも関わっています。また、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労を回復させる働きがあるため、「疲れからくる免疫力の低下」を防ぐのに効果的です。
いいえ、他の栄養素も意識的にバランスよく摂ることが大切です。
ビタミンCやB1は健康維持に欠かせませんが、ウイルスの感染予防に大切な皮膚や粘膜を作る働きをするビタミンAなども重要になります。また、タンパク質も重要になり、体の組織全てを作ったり、酵素やホルモンの調整をしてくれます。
はい、果物やイモ類からでも十分に摂取可能です。
ビタミンC=野菜というイメージがありますが、キウイ、いちご、みかんなどのフルーツにも豊富に含まれています。また、じゃがいもに含まれるビタミンCは熱に強く、加熱しても壊れにくいのが特徴です。野菜を無理に食べさせるのが難しい場合は、おやつにフルーツを出したり、フライドポテトやスイートポテトを取り入れたりして、お子様が喜ぶメニューから補ってみてください。
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