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風邪・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの特徴・症状の違い

Features -cold, flu and Covid-19

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風邪・新型コロナウイルス感染症・インフルエンザのイメージ

新型コロナウイルス感染症が登場してから、咳や発熱といった身近でよくある風邪症状にも注意が必要となりました。普通の風邪やインフルエンザとの違いや特徴、予防法などをご紹介します。

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内田直樹(うちだなおき)先生

監修:内田直樹(うちだなおき)先生

昭和医科大学医学部 薬理学講座 臨床薬理学部門 教授
昭和大学(現:昭和医科大学)卒。2014年4月より現職
日本臨床薬理学会 指導医・専門医

普通の風邪、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザの違いは?

風邪症状は、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザでもあらわれる

風邪では、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、咳などの呼吸器症状や発熱、寒気(悪寒)、頭痛、筋肉痛・関節痛などの全身症状があらわれます。これらの風邪症状は、普通の風邪のほか、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の初期症状でもあらわれるため、症状だけでどの感染症か見分けることは困難です。

普通の風邪と新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの特徴

風邪やインフルエンザが3~4日で症状が軽快し始めるのに対し、新型コロナウイルス感染症は軽症でも1週間ほど症状が続く傾向があります。新型コロナウイルス感染症は、2~7日の潜伏期間を経て発症し、のどの痛みや鼻水などの風邪症状、だるさ、発熱などがみられるなど、初期症状は風邪やインフルエンザと似ています。

個人差はあるものの、熱があまり高くなくてもだるさが強いことや、嗅覚・味覚障害があらわれることもあり、さらに悪化すると、ウイルス性肺炎などの合併症を起こすこともあります。発症2日前から発症後5日間は特にウイルス排出量が多く、感染リスクが高まるため、基本的な感染対策の徹底が必要です。

風邪、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどの症状の違い

症状

かぜ

新型コロナウイルス
感染症

インフルエンザ

アレルギー性鼻炎

まれ
(症状が進むと38℃位迄の発熱)

37.5℃以上の発熱が4日以上続く

急な38℃以上の高熱があらわれ、3~4日続く

なし
(あっても微熱程度)

頭痛

まれ

時にある

強くある

時にある

くしゃみ・
鼻水・
鼻づまり

よくある

・初期の鼻水は、透明でサラッとしているが、次第に粘りのある黄色い状態へ変化することが多い

まれ

・少量でサラッとした鼻水

時にある

・少量でサラッとした鼻水

よくある

・発作的で連続するくしゃみ

・透明でサラッとした鼻水

・朝方の強い症状(モーニングアタック)

・特定時期(花粉飛散期)のみに起きる(花粉症:季節性 アレルギー性鼻炎)

・1年中しばしば起こる(通年性アレルギー性鼻炎)

せき

ある
(軽度~中等度、痰を伴う時も)

よくある
(痰を伴わない乾いた咳が途切れずに続く)

よくある
(ひどくなることもある)

時にある

全身の痛み

軽い

時にある

よくある
(しばしば強い)

なし

倦怠感・
脱力感

軽い

時にある

よくある
(しばしば強い)

時にある

強い嗅覚・
味覚異常

まれ

よくある
(オミクロン株に置き換わってからは比較的少ない)

まれ

まれ
(鼻づまりによってにおいや味が分かりにくくなることがある)

その他の
特徴

・のどや鼻の不快感からはじまり、のどの痛みや、声がかすれたりすることもある

・特異的な初発症状はない

・倦怠感や発熱、筋肉痛などの全身症状があらわれやすい

・発症から3カ月以上たっても、通算2カ月以上何らかの症状が続いている場合は、医師に相談してください

・急激に高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの強い症状があらわれる特徴がある

・重い病気を合併しやすい点など、「かぜ」とは異なる特徴がある

・鼻のかゆみ

・目がかゆく、涙が出ることもある

2025年3月作成
[参考]
新型コロナウイルス感染症 外来診療ガイド 公益社団法人 日本医師会 第2版 2020年5月29日
新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第4版 2020年12月4日
インフルエンザの基礎知識 厚生労働省 2007年12月
花粉症患者の中に紛れ込む新型コロナウイルス感染症のリスク 日本感染症学会

風邪などのウイルス感染症にはどうやって感染するの?

主な感染経路

咳、くしゃみ、会話などで感染者から排出されたウイルスを含む粒子(飛沫やエアロゾル)を他の人が鼻や口から吸入することで感染します。また、接触感染でも感染すると考えられています。

  • 飛沫感染
    呼吸器などで発生する“しぶき”、つまり水分を含んだ小さな粒子のことを飛沫と呼びます。飛沫は発生すると水分の重さで落下しはじめますが、咳や会話などによって飛び出した飛沫は近く(1メートル以内)の相手にまで届いて吸入され、含まれたウイルスが気道粘膜に付着することで感染します。

  • エアロゾル感染
    エアロゾルは飛沫よりもさらに小さな粒子です。エアロゾルは軽いため空気中にしばらくとどまり、密閉された換気の悪い空間では1メートルを超えた距離の人にも感染させるリスクがあります。

  • 接触感染
    感染者がくしゃみや咳を手で押さえたときなど飛沫や唾液が付いた手で物を触ったり、飛沫が物に直接かかることで、ウイルスが身の回りの物に付着します。他の人がウイルスの付着した物を触ると手にウイルスが付き、その手で鼻や口、目の粘膜を触ることで感染します。

インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症はいつ流行っているの?

インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症 の流行時期について、厚生労働省が公表している「インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数の全国平均の推移(2023年第19週以降)」のグラフ を元に見てみましょう。

インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数※の全国平均の推移(2023年第19週以降)グラフ

厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/houkokusuunosuii_00007.html

定点当たり報告数とは、対象となる感染症について定点医療機関から報告されたすべての発生件数を定点医療機関の数で割って導き出した全国平均のこと

上記のデータによると、最近の新型コロナウイルス感染症は2023年7~9月に流行のピークが見られ、2024年1~2月、2024年7~9月の2回にわたって流行のピークがあったことが見られます。インフルエンザがほぼ冬場だけに流行のピークが見られるのに対し、新型コロナウイルス感染症の場合は夏から秋にかけても流行しているのが特徴です。

これまで、インフルエンザやかぜに関しては特に冬場に感染症対策が重視されてきましたが、新型コロナウイルス感染症に関しては冬場に限らず、年間を通して感染症対策を行うことが大切です。

風邪や新型コロナウイルス感染症などの予防方法

ウイルスの侵入を防ぐ基本的な感染防止策

風邪などの感染症は、原因ウイルスが主に飛沫を介して体内に侵入することで感染するため、感染予防には、ウイルスの侵入を防ぐ感染防止策が必要です。また、自身が感染者である場合には、マスクを着用することで周囲への感染拡大を防ぐことができます。接触感染を防ぐためには、手洗いや身の回りの物の消毒も重要です。
ほかにも、換気の悪い「密閉」空間、多数の人が集まる「密集」場所、すぐ近くで会話や発声をする「密接」場所では集団感染が起きやすいことが分かっています。これら3つの密(密閉・密集・密接)をできるだけ避けるようにしましょう。

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザをはじめとする感染症では、症状があらわれる2~3日前からウイルスの排出があり、無症状でも他の人に感染させてしまう可能性があります。自分自身の感染防止のためだけでなく、気づかないうちに他の人に感染させてしまうことも防ぐため、風邪症状の有無にかかわらず基本的な感染防止策を行いましょう。

感染防止の4つの基本

  • 身体的距離の確保

  • マスクの着用

  • 手洗い

  • 3密を避ける

ウイルスに感染しにくい体づくり

風邪、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザはいずれもウイルスによる感染症であり、感染予防には体の免疫力を高めて感染に対する抵抗力をつけたり、ウイルスの侵入経路である気道粘膜のバリア機能を維持したりする対策が有効です。

  • ワクチンを接種する
    新型コロナウイルス感染症やインフルエンザには、感染リスクを低下させ、重症化を防ぐためのワクチンがあります。ワクチン接種は特定の種類の病原体に対する体の免疫力を高めてくれます。

  • 十分な睡眠と運動を心がける
    十分な睡眠や適度な運動習慣は体の免疫力を高めてくれます。

  • バランスの良い食事を摂る
    ビタミンC、ビタミンD、亜鉛など体の調子を整えるビタミン・ミネラルの摂取や、乳酸菌などのプロバイオティクスの摂取が、風邪などの呼吸器感染症を減らすことが報告されています。

  • ストレス解消を心がける
    精神的ストレスは、免疫力に影響を与え、感染症にかかりやすくすることが知られています。過労や過度なストレスは避け、気分のリフレッシュを心がけて日頃からストレスをためないようにしましょう。

  • 禁煙する
    喫煙が気道粘膜の働きを低下させたり、免疫力を低下させたりするため、喫煙者はさまざまな感染症にかかりやすく、新型コロナウイルス感染症でも重症化しやすいことが報告されています。

  • 適度な湿度を保つ
    空気が乾燥すると気道粘膜のバリア機能が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。乾燥しやすい室内では、加湿器や洗濯物の部屋干しなどを利用して適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。

風邪薬は飲んでもいいの?有効性は?

風邪のときの風邪薬の役割は?

風邪の原因となるウイルスを直接抑える薬は存在しないため、風邪は体の免疫力で治すしかありません。では、風邪薬はなんのために飲むのでしょうか。風邪を引くと体はウイルスを排除するために、ウイルスが侵入した組織で炎症を起こしたり体温を上げたりするのですが、これによってつらい症状があらわれ、とても体力を消耗します。風邪のときの風邪薬は、つらい症状を緩和し、体力を消耗する発熱などを和らげることで、体の免疫力がウイルスと戦って排除するのを助けてくれるのです。

風邪薬を飲むイメージ

風邪症状があるときの風邪薬の服用

風邪の引き始めのころの症状を、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザのものと区別をつけることは難しいです。風邪と思われる症状があるときには、症状に応じて早めに風邪薬を服用してもよいでしょう。

ただし、風邪症状が4日以上続く場合や、息苦しさ(呼吸困難)・強いだるさ(倦怠感)・高熱などの強い症状があらわれた場合は、風邪ではない可能性がありますので、かかりつけ医などに電話相談しましょう。また、持病をお持ちの方や高齢者、肥満、妊娠後期などの重症化しやすい方は、軽い風邪症状でもすぐに電話相談しましょう。

風邪に似た症状のさまざまな病気

風邪っぽいけど、風邪のせいではない症状

鼻水・鼻づまり、のどの痛み、咳など、風邪のような症状があらわれると、新型コロナウイルス感染症が流行している時期には、原因となる病気がなんなのか心配になる方も多いでしょう。風邪に似た症状は、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザのほか、さまざまな風邪とは異なる病気のせいであらわれている可能性もあります。

主に鼻症状があらわれる病気

普通の風邪の多くは、鼻・のどの症状や咳といった複数の症状が、多少前後するものの一度にあらわれます。症状が主に鼻にだけあらわれている場合は、風邪ではないかもしれません。
風邪に似た鼻の症状が主にあらわれる病気としては、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が考えられます。
アレルギー性鼻炎の鼻症状は、サラサラした水っぽい鼻水がいつまでも続くことが特徴です。
副鼻腔炎の鼻症状は、風邪のあとに悪化することが多く、濃い鼻水と鼻づまりが続き、頬や額の痛みや発熱を伴うこともあります。


主にのど症状があらわれる病気

のどの症状が目立ってあらわれる場合も、風邪ではないかもしれません。
風邪に似たのどの症状が主にあらわれる病気としては、他のウイルスや溶連菌による咽頭炎などが考えられます。鼻症状や咳はほとんどなく、つばや食事を飲み込むときののどの痛みに高熱やリンパ節の腫れを伴うことが多いです。
のどの症状のなかでも、のどの痛みがとても強く、つばも飲み込めず、息苦しい(呼吸困難)といった特徴があるときは命にかかわる病気の場合もあるため、すぐに医療機関を受診してください。

主に咳(せき)症状があらわれる病気

鼻やのどの症状が乏しく、風邪に似た咳(せき)が主にあらわれる病気としては、急性気管支炎や肺炎などが考えられます。
風邪によっても急性気管支炎は起こりますが、ウイルスが排除されると自然に軽快します。
注意が必要なのは、細菌など他の病原体の二次感染を起こし急性気管支炎や肺炎が起きている場合です。咳(せき)と発熱が続き、息苦しさ(呼吸困難)やだるさ(倦怠感)があらわれることがあり、新型コロナウイルス感染症と症状がよく似ているため、早めにかかりつけ医などに電話相談しましょう。

症状が軽快しない場合

風邪のような症状があるときの対応

風邪のような症状があらわれた場合は、新型コロナウイルス感染症に感染している可能性を考慮し、外出を控えて自宅で療養しましょう。特に発症後5日間は他人に感染させるリスクが高いため、感染対策を行うことが大切です。ただし、持病をお持ちの人、高齢者、肥満、妊娠中の人など、重症化しやすい人は軽い風邪症状でもすぐにかかりつけ医に相談してください。
自宅療養中は周囲への感染拡大に配慮して発症から5日経過しても、何らかの症状が続いた場合は解熱し、かつのどの痛みや痰などの症状が軽快してから24時間経過するまで、外出を控えることが推奨されます。
万が一、息苦しさ(呼吸困難)や強いだるさ(倦怠感)などの全身症状やひどい高熱が続くなど、重症化が疑われる場合には、医療機関の受診が必要です。緊急の場合を除き、かかりつけ医や外来受付医療機関に事前に電話相談してから受診するようにしましょう。

参考資料

  • 国民の皆さまへ(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省

  • 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について|厚生労働省

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.0版|厚生労働省

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引きver.3.0(日本プライマリ・ケア連合学会)

MAT-JP-2601047-1.0-03/2026

最終更新日:2026年03月17日