学会発表「速溶性イブプロフェン製剤のヒトでの吸収動態」
エスエス製薬は、2009年に日本薬剤学会で、速溶性イブプロフェン製剤のヒトでの吸収動態についての研究を発表しました。イブプロフェンの吸収を促進するための新しい製剤設計に関する知見を提供しています。
目的
イブプロフェンはBCS分類Class Ⅱ(低溶解性、高膜透過性)の薬物である。また、酸性薬物であることから、胃内のような低pH環境下では特に溶解性が低いと考えられる。そこで、溶解性を改善することが、体内への吸収速度を高めると考えた。我々は、イブプロフェンに制酸剤である酸化マグネシウムを配合し、酸性環境下での溶解性を高めた速溶性イブプロフェン製剤(IP-05)を作成し、制酸剤非配合イブプロフェン製剤(IP-01)を比較製剤としてヒトにおける体内動態を検討した。
結論
イブプロフェンに制酸剤である酸化マグネシウムを配合した速溶性イブプロフェン製剤の吸収は非配合製剤と比べ、速やかであった。
低pH環境下での溶解性を改善することで、体内への吸収速度を高めることが示された。非配合製剤のin vivo溶出は緩やかであった。
速溶性イブプロフェン製剤では、投与後、製剤中に水分が侵入することで、制酸剤がイブプロフェン近隣のpHを上昇させ、一過的で急速な溶出が起こると推察された。
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研究開発
MAT-JP-2501850-1.0-05/2025
最終更新日:2025.05.20