メインコンテンツへ

腰痛の種類|さまざまな分類を原因や症状とあわせて解説

INDEX

「腰痛」は病気の名前ではなく、腰部を中心とした痛みや、張りなどの不快感のことを指す症状の総称です。
本コンテンツでは、この腰痛の種類や原因、対策などについて紹介します。

INDEX

腰痛は原因が判明するかどうかで「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」に分かれる

腰痛を大きく分けると特異的腰痛と非特異的腰痛の2種類になります。特異的腰痛は原因が特定できるもので、神経の圧迫により痛みやしびれが生じる椎間板ヘルニアなどが該当します。非特異的腰痛は、レントゲン検査などでも原因が特定できないものです。

腰痛全体におけるそれぞれの割合については、長い間「約85%が原因不明な非特異的腰痛である」という認識が定説として広まっていました。しかし近年では新たな研究や丁寧な診断によって、非特異的腰痛は全体の2割ほどであり、残りの8割ほどは診断可能な特異的腰痛であるとの見方が主流となっています。

なお、生活習慣に起因する軽度な腰痛(腰周りの筋肉の緊張からくる腰痛)であれば、市販の鎮痛薬で対処できる場合もあります。腰痛が慢性化している場合や痛みの程度がひどい場合には医療機関を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。

代表的な腰痛の種類

腰痛にはさまざまな種類があります。ここでは、代表的な3つのケースを紹介します。

腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア

1つひとつの背骨の間には、力を吸収するためのクッションのような役割をもつ椎間板が存在します。椎間板の内部には髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状の組織があり、その周囲は線維輪(せんいりん)という丈夫な繊維状の組織で包まれています。

この線維輪が、なんらかの原因によって膨らむあるいは断裂することによって後方側に飛び出し、神経を刺激してしまっている状態や炎症を引き起こしてしまっている状態のことを「腰椎椎間板ヘルニア」と呼びます。

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

脊柱管は神経の束が通る背骨の中のトンネルのようなもので、椎間板や関節、靭帯などに囲まれています。この脊柱管が長い年月にわたって体を支えているうちに、組織の変形によって狭くなってしまうことがあります。トンネルが狭くなってしまうことにより、その中を通る神経が圧迫されてしまっている状態のことを「腰部脊柱管狭窄症」といいます。

ぎっくり腰

ぎっくり腰は一般的に「急に起こった強い腰の痛み」を指す通称です。例えば、重いものをもち上げようとした際や、腰を捻る動作をした際に起こるほか、朝起きた直後であったり、何もしていないのに起こったりというケースもみられます。

痛みの原因はさまざまであり、腰部を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)の損傷が原因の場合もある一方で、ほかの病気が原因である場合や、原因が特定できないケースもあります。

日常の中でおこなえる腰痛への対策・気をつけること

腰痛は日常習慣の中のいくつかのポイントに気をつけるだけでも避けられる場合があります。次のポイントに注意しましょう。

同じ姿勢をとり続けない

デスクワークや家事などで長時間同じ姿勢を続けていると、同じ場所の筋肉が緊張したままとなり、疲労や血行不良によって腰痛が起きやすくなります。同じ姿勢が続く際には、適度に休息をとったり、ストレッチをしたりして体をほぐすように心がけましょう。

無理な姿勢をとらない

腰の一部だけに負担がかかるような姿勢は、腰痛の原因となります。例えば、片足に重心をかけた状態で立ち続けたり、椅子に座るときに足を組んだり、床に座る際にいつも決まった方向に横座りをしたりするような習慣があると腰に負担がかかりやすいため、日常的な姿勢を見直してみましょう。

重いものをもたない

過度に重いものをもち上げたり運んだりすることは、腰部のトラブルにつながりやすい動作です。やむをえず重いものをもったり運んだりしなければならない場合でも、両手でしっかりと左右の重さが均等になるようにもったり、片手でもつバッグは時々左右でもち替えたりするなど、一箇所に長い時間過度な負荷がかからないようにしましょう。

また重いものを床からもち上げるときは、腰を下ろして床に片膝をつき、荷物に体を近づけてからゆっくりと全身の力で真上にもち上げることが大切です。くれぐれも、膝を曲げずに中腰の姿勢で、腕の力だけでもち上げるような動作はしないよう気をつけましょう。

生活習慣が起因する軽い腰痛なら鎮痛薬で対処する方法もある

例えば長時間同じ姿勢が続いた、非常に重いものをもったなどのあとに、少し痛みを感じる程度の腰痛(腰周りの筋肉の緊張からくる軽度な腰痛)が起きてしまった場合には、市販の鎮痛薬(飲み薬のほか、湿布や塗り薬など)も対処法の1つです。痛みが慢性化しているときや、我慢できないほどの痛みや下肢のしびれがみられる場合には医療機関を受診してください。

腰痛をセルフチェック! 多く当てはまったら念のため、早めに医師へ相談を

腰痛は日常的に悩まされている人も多く、痛みが軽度な場合には市販の鎮痛薬で対処できているケースもあります。一方、専門的な治療を必要とする病気が隠れている可能性もあります。

次のチェックリストに該当項目があり、市販の鎮痛薬で緩和できない、あるいは長引いているという場合には、念のため早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • ほぼ毎日腰が痛い、という状況が続いている

  • 腰痛が原因で、普段よりも横になって休むことが増えている

  • 腰痛を和らげるために、日常的に何度も姿勢を変えている

  • 腰痛が原因でよく眠れない

  • 腰痛が原因で、ちょっとしたことでも日常的に介助を必要としている

  • 腰痛のため、椅子から立ち上がる動作もつらい

  • 腰痛のため、階段で上の階へのぼったり、靴下やストッキングを履いたりする動作が困難である

  • 腰痛が原因で、普段の仕事や家事が著しく妨げられている

みんなの腰痛事情

みなさんは腰痛とどう向き合っているのでしょうか。発症頻度と対処法を調査してみました。7割以上の人が月に1回以上腰痛を感じていること、そしてもっとも多くの人が選択している対処法がストレッチであることがわかりました。

<調査概要>

調査名:Usage and Attitude of Antipyretic/Analgesics
調査委託先:イプソス株式会社
調査実施日:2018年7月25日(水)~2018年7月30日(月)
調査方法:オンライン調査
調査対象:過去一年間で腰痛の症状のある15~59歳の男女 8,506名

腰痛の発生頻度

半数以上の人が1週間に1回以上痛みを感じていることがわかります。腰痛が慢性化してしまっている人も少なくないようです。

腰痛の発症頻度のグラフ

腰痛の対処法

腰痛の対処法としては、ストレッチやOTC外用薬(市販の塗り薬や貼り薬)の使用が多いようです。痛みが慢性化してしまわないように、ストレッチやマッサージ、内服薬も活用したりしてうまく対処しましょう。

腰痛の対処法のグラフ

監修:西田 圭一郎先生
(岡山大学学術研究院医療開発領域 運動器疼痛センター 教授)

日本専門医機構認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、脊髄脊椎病医、認定運動器リハビリテーション医、研修指導者、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本手外科学会認定手外科専門医・指導医、日本関節病学会認定医、日本リハビリテーション医学会 認定臨床医、厚生労働省卒後臨床研修指導医、外国人臨床修練指導医、日本運動器疼痛学会教育研修プログラム修了。

  • 掲載している情報や、監修者の所属・肩書きは、記事作成時点のものです。

西田 圭一郎先生

ここまでの内容は西田 圭一郎先生に監修いただきました。

本コンテンツは腰痛の原因に関する情報を提供するものであり、イブ解熱鎮痛薬シリーズの効能・効果を示すものではありません

関連リンク

MAT-JP-2408963-1.0-10/2025

最終更新日:2025年10月30日