その他
一般用医薬品のイブプロフェンおよびアセトアミノフェンの配合剤における薬物動態の検討
2026年3月26日~29日 日本薬学会第146年会 ポスターセッションにて発表
弊社開発品はイブプロフェンの溶出だけでなく吸収も速やか
エスエス製薬株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ニクヒレッシュ・カルラ)は、昨年の日本薬学会第145年会で日本人健康被験者を対象とした弊社開発の解熱鎮痛剤IP-TA(2024年9月発売)と既存の類似配合製剤IP-TBの薬物動態を比較する臨床試験結果発表しました。今回、その続報として、製剤の溶出試験を行い、結果を分析して得られた知見について、2026年3月26日~29日 日本薬学会第146年会のポスターセッションにて発表いたしました。
IP-TAとは
併用効果を期待して作用点が異なる解熱鎮痛成分のイブプロフェンとアセトアミノフェンを配合し、かつ速効性を期待してイブプロフェンの溶出を速めたクイックアクションⓇ製法を用いた弊社開発の製剤です(2024年9月発売)。
クイックアクションⓇ製法は、錠剤中の膨潤性マトリックスにイブプロフェンと酸化マグネシウムを個別充填し、イブプロフェンの溶出性向上を図っている当社独自の製剤技術です。
試験結果の要約
既報の日本人健康成人における血中薬物動態の検討から、IP-TAにおけるイブプロフェンの吸収は速やかであると示唆されていました。 今回は服用後に製剤が通過する消化管に模した異なる複数のpH溶液で溶出試験を行いました。その結果、IP-TA経口投与後の消化管でのイブプロフェンの溶出性は速やかであることが示唆されました。さらに溶出試験の結果を薬物動態試験に外挿して分析したところ、IP-TAは経口投与後の溶出に応じて吸収も速やかで、服用後の経過時間に応じた溶出と吸収の挙動は平行関係にあることが示されました。これらから、IP-TAでは錠剤の崩壊性が良好で、イブプロフェンの溶出のみならず吸収も優れていることが示されました。
以上より、速効性と安全性が求められる一般用医薬品(OTC)の解熱鎮痛薬へのニーズに適え得ると考えられました。
試験の概要
一般用医薬品(OTC)の解熱鎮痛薬は、安全性が高く、速効性があり、より強力に作用を示す製剤が望まれています。そこで今回、イブプロフェンとアセトアミノフェンの配合剤における薬物動態の特性を溶出性の観点から以下の方法で評価しました。
- 薬物動態:日本人健康被験者24名を対象とし、非盲検、無作為化、2製剤、2期間、2群のクロスオーバー試験で、IP-T及びIP-TB経口投与後のイブプロフェンとアセトアミノフェンの血中薬物濃度を測定しました。また、2製剤の各成分用量が異なることから、用量比で補正を行いました。
- イブプロフェンについての溶出試験を日本薬局方のパドル法に準拠し、日局第1液(pH 1.2)、第2液(pH 6.8)及び薄めたMcIlvaine緩衝液(pH 4.0)を用い、各配合剤の1錠について6回ずつ行いました。
- 各pHにおける溶出率から生体に模すために、 胃(pH 1.2)、十二指腸(pH 4.0)および小腸(pH 6.8)の滞留時間を各々15分間、15分間、150分間とし加重平均溶出率を算出しました。
- 各採血時間におけるイブプロフェンの吸収率をWagner-Nelson法で求め、加重平均溶出率(D)と吸収率(Fa)との関係を分析しました。
本試験で以下の結果が得られました。
- 薬物動態試験において、イブプロフェンの Cmax は、IP‑TB と比較して IP‑TA で高く、用量補正後も IP‑TA で有意な高値を示しました。Cmax到達時間(tmax)および吸収速度定数(Ka)は、いずれもIP-TAにおけるイブプロフェンの吸収が速やかであることを示しました。一方、アセトアミノフェンの薬物動態プロファイルは、IP-TAとIP-TBとで差異は見られませんでした。
- Wagner-Nelson法でイブプロフェンの吸収率を求めたところ、IP-TAでは約40分後、IP-TBでは約220分後に完全吸収を示しました。
- 各pHでの溶液でのイブプロフェンの溶出率を測定したところ、pH 1.2ではIP-TBで高い溶出率が示されましたが、pH 4.0及びpH 6.8ではIP-TAの方が高い結果となりました。加重平均溶出率での90%溶出までの時間はIP-TAでは12分でしたが、IP-TBでは120分間で到達しませんでした。
- イブプロフェンの加重平均溶出率(D)と吸収率(Fa)の関係性を見たところ(下図)、IP-TAでは一定のラグタイム(12分間)を維持した平行関係でした。一方、IP-TBでは投与初期ではラグタイムは12.5分でしたが、中期以降では溶出率と吸収率の乖離がみられました。
- クイックアクションⓇ製法は、アセトアミノフェンの吸収には影響しませんでした。
- 薬物動態試験を含め、試験中に副作用は発現しませんでした。

以上より、IP-TAにおいてイブプロフェンは服用後速やかに消化管で錠剤が崩壊し、イブプロフェンが溶出・吸収されることが示されました。IP-TAは頭痛や生理痛、肩こり痛などに対する即効性が期待できるOTC薬で、発熱疼痛管理において有力な選択肢となると考えられました。
エスエス製薬について
エスエス製薬はOTC医薬品(市販薬)やヘルスケア製品に特化した製薬会社です。1765年の創業以来、260年にわたり健康へのニーズに応えるさまざまな製品を提供しています。世界100カ国で事業を展開し、OTC医薬品およびVMS(ビタミン、ミネラル、サプリメント)市場で世界第3位の事業規模を持つオペラの日本事業を担っています。エスエス製薬は、今後も「スイッチOTC医薬品」など付加価値の高い医薬品の開発やセルフメディケーションの推進を通じて、人々の健康と生活の質の向上に貢献してまいります。
エスエス製薬株式会社の詳細は、https://www.ssp.co.jp/ をご参照ください。
関連リンク
山根志真,川瀬一朗 他.一般用医薬品のイブプロフェンとアセトアミノフェンの配合剤における新規製剤技術の応用:配合成分の薬物動態の改善.日本薬学会第145年会,2025,福岡.ポスター
参考:エスエス製薬ニュースリリース、2025年4月15日. https://www.ssp.co.jp/news/2025/20250415/
本件に関するお問い合わせ先
エスエス製薬株式会社
大代表
TEL:03-6301-4511
製品に関するお問い合わせ先
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最終更新日:2026.03.30









