花粉症のモーニングアタック
~快適な朝のためには夜の対策も重要~

日本各地で一年を通じて飛散する花粉によって、つらい鼻炎などが引きこされる花粉症。一概に「花粉症」とは言っても、実は朝と夜でその原因も症状も違います。朝と夜の花粉症の違いを理解し、適切な対策に役立てましょう。

監修:大久保公裕先生
日本医科大学 名誉教授
朝の症状と原因
朝の症状
朝の起きがけに、鼻水や発作的なくしゃみなどの鼻炎症状が現れることをモーニングアタックと呼び、朝目覚めてからすぐにひどい症状に悩まされる人が多いようです。

原因
夜間、床の上に落ちた花粉やハウスダストなどのアレルゲンを吸い込むため
起床時やふとんをたたむ際に、アレルゲンが空中に舞い上がるため
起床時に自律神経が副交感神経優位から交感神経優位の状態に切り替わる事によって、一時的にバランスが乱れて鼻が刺激過敏になるため
朝の鼻水の中に、(炎症の誘導について中心的な役割を担う)好塩基球が増加するため
などの説が挙げられています。
しかし、花粉の侵入の少ない室内で、花粉症の症状が朝に見られることから、前述の理由1.2.よりも3.のような自律神経のバランスの乱れが主な原因と考えられています。
- 補足情報 自律神経について
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、活動的な昼間は交感神経が優位に働き、休息時や夜間の睡眠時は副交感神経が優位になります。
朝は自律神経が夜間の副交感神経から日中の交感神経に切り替わる(血管が収縮する)ため、両者のバランスが一時的に乱れ、症状が出やすくなると考えられています。
対策
就寝前に服用するタイプのアレジオンは、睡眠中から効果を発揮し、朝起きてすぐのつらい症状から、日中の活動時間まで、十分に効果を発揮します。
夜の症状と原因
夜の症状
夜間にも花粉症の症状がひどくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。

夜の症状の影響で昼間に眠気やだるさを訴える人も少なくありません。
原因
夜間にも花粉は多く飛んでいる
花粉は昼間に多く飛散し、夜は飛散しないと思っていませんか?実は、夜間にも花粉は多く飛散しています。昼間と夕方以降の気温差による空気の対流や、帰宅時の人の動きによって上空の花粉が地上に落ちたり、地面や家の床に落ちていた花粉が再び舞い上がって花粉症を引き起こします。加えてスギ花粉は屋外では昼前後と日没前後に多く飛散します。このように、夜間にも意外と多くの花粉が空中に舞っているのです。

時間差で症状が出ることも
アレルギー性鼻炎には、アレルゲンを吸い込んでから数分~数十分内に起こる「即時相反応」と、6~10時間くらいあとになって起こる「遅発相反応」があります。粘膜の腫れや鼻づまりなどは「遅発相反応」で起こるので、昼間に吸い込んだ花粉による症状が夜間に現れるのです。
対策
花粉症のつらい症状を軽くするためには、帰宅時や就寝前の夜の花粉症対策が重要です
室内に入る前に玄関前で服についた花粉を払い落とす
体についた花粉は手洗いやうがい、洗顔でしっかり洗い流す
窓やドアをしっかりと閉めて室内への花粉の侵入を防ぐ
こまめに掃除をすることで室内に入った花粉を除去する
睡眠時に花粉を吸いこまないよう寝具もこまめに清掃する
布団乾燥機などを利用し、花粉シーズンは布団は外に干さないようにする
空気清浄機をかけて、室内での花粉の飛散を防ぐ
ここまでの内容は日本医科大学 名誉教授 大久保先生に監修いただきました。
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