生理痛(月経痛)のつらさを和らげる体勢
日中の対策・寝るときの対策
毎月訪れる生理のたびに、重い生理痛に悩まされているという人もいるのではないでしょうか。
本コンテンツでは、生理の痛みがつらいときにおすすめの体勢や、対処法などの情報を紹介します。
- 生理痛(月経痛)を和らげる体勢「日中の対策」
- 生理痛(月経痛)を和らげる体勢「寝るときの対策」
- 「心のケア」も大切!
- 「寝る前の行動・生活習慣」で生理痛の重さが変わることも
- 生理痛には鎮痛薬も利用する
生理痛(月経痛)を和らげる体勢「日中の対策」
生理(月経)に伴って起こる痛みの種類は人によってさまざまですが、多くみられる症状として子宮が収縮することによる下腹部あたりの鈍痛、ぎゅうっと締めつけられるような痛みのほか、腰痛が挙げられます。
以下で紹介する体勢を、痛みの状況や部位に応じて仕事や家事の合間に試してみてください。
浅めに腰掛け、骨盤を立てる
生理のときには痛みを感じる下腹部をかばうため、つい前かがみに背中を丸める姿勢が続いたり、体がこわばり続けていたりと歪んだ姿勢や体勢をとりがちです。そういった窮屈な体勢を長時間つづけてしまうと、お腹まわりの血行が悪くなってしまいます。
椅子に座っているときには、少し浅めに腰掛けて、乗馬するときのように骨盤を立てるようなイメージで座ると下腹部への負担が軽減され、体もリラックスしやすくなります。
ただし、あまり「この姿勢でなければ駄目だ」と思いすぎてずっと同じ座り方でいると、やはり体が次第にこわばってしまいよくないため、適度にポジションを変えたり、立ち上がったりするとよいでしょう。
つらさが続くときは背中・腰のマッサージ&体のツボを刺激
腰や下腹部の痛みがつらいときには寝転がりたくもなりますが、仕事や家事などで忙しい日中にはそうもいきません。そういうときには、自分で背中をさすったり、腰をマッサージしたりという方法で体に適度な刺激をあたえると、血行を促進し、筋肉をリラックスさせます。
また、一般的に生理痛の緩和が期待できるツボとして知られている箇所を、手の指で押してみるのもおすすめです。ツボを押す際には、気持ちがいいと感じる程度にやさしく、ゆっくりと押すことがポイントです。
長時間同じ姿勢が続いたときはストレッチを
座り仕事や立ち仕事で長時間同じ姿勢が続いたときには、適度にストレッチを行いましょう。
体を動かすことで全身の血行がよくなり、またストレスの発散にも効果的です。
ストレッチをする際には、骨盤や股関節の周りの筋肉を動かしたり、足の付け根の筋肉を伸ばしたりという点を意識します。余裕があるときには、ヨガでみられるような腰を落としながら片方の脚を後方へ伸ばし、両手を前後へ広げるようなポーズもおすすめです。
生理痛(月経痛)を和らげる体勢「寝るときの対策」
続いて、就寝時におすすめしたい体勢のポイントを紹介します。生理痛がひどいときにはベッドに入っても、痛みが気になってなかなか体勢が定まらず寝付けないものです。
以下の中から、自分に合ったものを取り入れてみてください。
全身がリラックスできることが一番大切
全身がリラックスできる、一番楽と感じられる体勢で寝るようにしましょう。生理中は痛みや経血漏れの心配でつい体が緊張状態になってしまいがちですが、力を抜き、できるだけゆったりとした体勢を選びます。
横向きになってひざを曲げる
横向きになってひざを曲げて寝ることで、下腹部の圧迫感を軽減できます。
背中は丸めぎみにする
胎児が母体の中で丸くなるように、背中を丸めぎみにします。こうすることによって腹部を適度に温めることもでき、生理痛の痛みを緩和できると考えられます。このときに、うずくまるほどに体を丸めすぎると下腹部を圧迫してしまうため、適度に丸めるとよいでしょう。
クッションや枕などを使って重心を分散させる
横向きの体勢で寝ているときに顔や肩の圧迫感が気になるという人は、クッションや枕を使って、重心をうまく分散させましょう。
人によっては、「うつ伏せ」のほうがラクという場合も
ここまで、横向きになって背中を軽く丸める体勢をおすすめしていますが、人によっては「うつ伏せで寝たほうが痛みが楽になる」という声も聞かれます。
うつ伏せで寝ると、背部や腰部の血管や神経が、圧迫から解放されるという利点があります。もし、楽に感じる場合にはうつ伏せ寝もおすすめです。
ただし、うつ伏せになると腹部は圧迫されますので、ちっとも楽じゃないと感じる人もいるでしょう。自分なりの一番楽な姿勢での寝かたを、色々と試しながら探してみてください。
「心のケア」も大切!
生理中はつらい痛みだけでなく、イライラしたり気持ちがふさぎこんでしまったり、集中力が途切れたりと精神的にバランスを崩してしまうことも大きな悩みです。自分なりの方法で、心のケアをすることが大切です。
「イライラ」への対策
イライラした気持ちを遠ざけるためには、自分なりの方法でリラックスタイムをつくることが肝心です。
例えばアロマテラピーで、心身ともにリラックスする時間をつくるのもよいでしょう。ラベンダーやクラリセージなどのエッセンシャルオイルがおすすめです。また、「手桶」にもリラックス効果が期待できます。洗面台に栓をして、少し熱め(42°C程度)のお湯を張ってから、両腕の肘あたりまで浸かってみましょう。この際にも、お気に入りのアロマオイルを数滴たらしておけば、よりリラックスできるひとときとなるかもしれません。
「寝る前の行動・生活習慣」で
生理痛の重さが変わることも
就寝前のちょっとした行動の違いや、なにげない生活習慣によっても生理痛のつらさを和らげられる可能性があります。
飲み物はなるべく温かいものを
日中や就寝前などのタイミングで、体を冷やさないように温かい飲み物を選ぶのもおすすめです。
特にカフェインやアルコールを避け、ハーブティーやホットミルクなど、ノンカフェインの飲み物を選ぶとよいでしょう。
ただし、寝る前にたくさん飲むとトイレが近くなることがあるので、量には注意してください。
腹部が締めつけられない服装に着替える
ジーンズやガードルなどで体を締めつけていると血流が滞り、生理痛を悪化させると考えられます。特に自宅でのリラックスタイムでは、ボタンをゆるめたり、ゆったりとした服装に着替えましょう。
保温効果の高い寝具やパジャマを使う
就寝時に体を冷やしてしまわないように、保温効果の高い布団やパジャマを用意しておき、暖かい環境で眠れるようにしておきましょう。あわせてカイロなど、冷えを感じたときにすぐ温められるものを準備しておくのもおすすめです。
寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用はほどほどに
現代では多くの人が、家でのリラックスタイムで何気なくスマートフォンやパソコンなどを使っていると思いますが、生理痛が重い場合には寝る直前の過度な使用をなるべく控えましょう。夜遅くまでスマホやパソコンの画面を見ていると、自律神経やホルモンバランスの乱れにつながってしまう場合も考えられます。
生理痛には鎮痛薬も利用する
「病気でもないのに薬に頼るのは…」と鎮痛薬に抵抗を感じる人がいるようですが、必要以上に痛みを我慢したり、毎月の生理が憂鬱になったりしては、心と体の負担が蓄積してしまいます。体の痛み、頭痛やストレスが原因で、さらに生理痛を強めてしまうこともあるでしょう。痛みを感じたら無理せず、早めに鎮痛薬を利用することも改善のための1つの方法です。