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花粉症を引き起こす植物の種類とは?~ヒノキ~

花粉症を
引き起こす
植物の種類
~ヒノキ~

監修:NPO花粉情報協会
事務局長 佐橋紀男先生

ヒノキ科ヒノキ属(ヒノキ Chamaecyparis obtusa)

基本情報

ヒノキ科ヒノキ属
(ヒノキ Chamaecyparis obtusa)
ヒノキ科ヒノキ属(ヒノキ Chamaecyparis obtusa)

花 期 3~5月
果実期 10~11月

ヒノキは常緑針葉樹の高木です。樹皮は赤褐色で、類似種としてサワラ、ニオイヒバなどがありますが、葉の裏にYの字状の白い気孔があるのがヒノキ、白い気孔が蝶のようなXの字状をしているのがサワラです。

分布

原産地:日本

福島県以南から九州にかけて分布しており、またスギの木同様、広い地域で植林されています。現在、人工林はスギの約半分の250万ヘクタールに及びます。
木曽のヒノキは、秋田杉、青森のヒバと並ぶ日本三大美林の一つとされています。

分布 原産地:日本 分布 原産地:日本

マメ知識

ヒノキ風呂で知られるように、ヒノキの材はその香りの良さが特徴です。この香りはフィトンチッドと呼ばれる揮発成分で、フィトンとは「植物」、チッドとは「他の生物を殺す能力を有する」を意味するロシア語で、1930年頃、旧ソ連の科学者B.P.トーキン博士がこの植物が持つ不思議な“自衛”能力を発見し名付けました。なかでもヒノキはこの成分を多く発し、アロマオイルをはじめ、様々な製品に使われ、森林浴をしているようなリラックスした気分にさせてくれます。またヒノキは高級建材としても古くから用いられ、木曽ヒノキを始めとして、その木目の美しさ、香りの良さに加え、耐久性や保存性の高さから、法隆寺の金堂や五重塔などにも使われています。そんな人々を癒してくれるヒノキですが、その花粉はスギ同様、多くの人を苦しめます。


ヒノキ花粉の特徴

ヒノキの木は雌雄同株で、1本の樹木に雄花と雌花が咲きます。花粉を作るのは雄花で、スギと同じく「風媒花(ふうばいか)」なので、花粉を風に運んでもらいます。地域によって花粉の飛散時期は若干異なりますが、通常スギよりもヒノキの方が遅く飛散しますが、近年はほぼ同時期に飛散するようになり、またその飛散量も年度や地域によって、スギよりもヒノキ花粉の飛散量が多いという逆転現象も見られます。


ヒノキ花粉症の症状と対策

ヒノキ花粉症もスギ花粉症と同様、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが主な症状です。そのほか、目のかゆみや頭がボーっとしたり、頭痛、喉や皮膚のかゆみやだるさ、不眠などの症状が現れることもあります。スギ花粉症にかかっている患者さんの7割がヒノキ花粉にも反応するので、両方が重なると症状が重くなることがあります。花粉症の症状が出たら、まずは医療機関で受診することをおすすめしますが、普段の生活のなかでも花粉を極力避ける対策が必要です。
外出時にはマスク、メガネをする、帽子をかぶる、服装もなるべく花粉の付きにくい生地のものを選ぶとよいでしょう。帰宅したら、家に入る前に洋服や髪の毛に付いた花粉を払い落とし、家に入ったらまず手洗い、うがい、洗顔をしましょう。
洗濯物はできるだけ外に干さずに屋内干しにし、布団も乾燥機を使うようにするか、外に干した場合は掃除機で花粉を取り除きましょう。
また睡眠をよくとり、風邪を引かないように注意して、きちんと食事をとり、お酒の飲み過ぎも気をつけてください。

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