エリア別で飛散量を確認!「花粉飛散量予報マップ」
2023年シーズンの花粉情報をご覧いただきありがとうございました。今シーズンの花粉飛散予報マップリアルタイム更新は終了しました。
花粉飛散量
- :非常に多い
- :多い
- :やや多い
- :少ない
- :飛散開始前
花粉飛散量
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どのくらい飛びそう?
2023年の花粉飛散量の傾向
前年(2022年春)との比較
- 東北北部では前年より少なく、その他の地方では多くなる見込み。
- 特に東北南部から関東、東海、近畿、中国地方は非常に多くなると予想される。
例年(過去10年平均値)との比較
- 東北南部から関東、東海では例年の2倍以上の花粉が予測され、関東から西の地方ではヒノキ花粉が多くなる見込み。
- 東北北部と九州の一部は例年よりやや少ない見込みだが、その他の地域では、例年を超える所が多くなると予想。
2023年花粉飛散量の主な要因
花粉を飛ばすスギやヒノキの雄花は6月前半から成長を始め、その生産量は前年夏の気象条件(日照時間/降水量、気温)と密接に関係しています。
- 日照時間は、2022年6月では東北北部と北海道で平年(過去30年間の平均値)より少なく、その他の地方(特に、関東から西の地方)では平年より多くなりました。
2022年7月では中国、四国、九州で平年よりやや少なく、その他の地域ではやや多くなりました。
- 気温は、2022年6月では北海道の北部を除き、全国的に平年よりやや高く(特に6月下旬は非常に高く)、2022年7月も全国的に平年より高くなりました。
その他の要因として、東北北部では2022年春の花粉数が多かったことと、2022年6月の日照時間が少なくなった影響でスギ雄花の成長が悪くなっていました。その他の地方では、スギ雄花の着花量は前年より多く、関東、北陸、中国地方では過去10年と比較して雄花量が最も多くなっていたため、これらの地域ではスギ花粉の量が極めて多くなる可能性があります。
2023年の花粉対策
- 福島県から関東、東海では、大量飛散の目安となる基準(2000個/㎠/シーズン)を大きく超える飛散量(10000個前後/㎠/シーズン)、特に山沿いの地域はさらに多い飛散量(20000個/㎠/シーズン)が見込まれています。その他東北などの地域でも3000個/㎠/シーズンを超える地域が多くなる見込みです。
- スギ花粉症の患者さんの動向を調べると、シーズンの花粉数が大量飛散の目安となる基準(2000個/㎠/シーズン)を下回る飛散量の地域でも1日の花粉数が30個前後になると多くの方が発症し、重症化する方が目立つようになります。
- 2023年のように花粉の大量飛散が予想されるシーズンでは、スギ花粉が飛散開始からごく短い期間で急増しますので、特に早めの対策をとってください。花粉症の薬を早めに用意しておき、マスク、メガネ、帽子、手洗いなど花粉を予防する対策を複合的に行うことが必要です。
【前年比】 2023年 花粉飛散量マップ
大量飛散の目安となる基準(2000個/㎠/シーズン)を超える飛散量が予測されます。早めの予防対策が必要です。
データ提供:
NPO花粉情報協会 主要16都市での第1回予測
【例年比】 2023年 花粉飛散量マップ
西の地方はほぼ例年(過去10年の平均値)並みの予想ですが、その他のほとんどの地域は、例年の1.5倍〜2.5倍となる見込みです。
データ提供:
NPO花粉情報協会 主要16都市での第1回予測
いつから飛び始めそう?
2023年の花粉飛散時期の傾向
- スギ花粉飛散開始時期はシーズン前年冬(11月後半~12月)とシーズン直前(1月~2月)の気温が密接に関係します。
- スギの雄花は11月初めには完成し、11月後半から12月にかけて活動を停止して休眠します。この休眠期間の気温が低いほど休眠から早く覚醒し、開花準備に入ります。
- 休眠から覚醒し開花準備に入る1月~2月に暖かい日が続くと、スギ花粉の飛散は早くなりますが、寒い日が続くと遅くなります。(2022年春の首都圏の花粉シーズンでは、前年12月の気温が高く、直前2月の寒波の影響で花粉の飛散開始が例年より遅くなりました。)
花粉飛散時期の主な要因
- 2022年12月は強い寒気の影響で一時的に冷え込みましたが、11月後半から12月の気温は全国的にほぼ平年並みでしたので、スギ雄花の休眠覚醒もほぼ例年並みと見込まれます。
- 休眠から覚醒し開花準備に入る2023年1月の気温は平年並みかやや低いと予想されていますので、2023年のスギ花粉の飛散開始は、例年並みかやや遅くなる可能性が高いのですが、スギ雄花の成長が例年より早く多くの花粉量が見込まれるため、気象条件によっては例年より飛散開始が早まる可能性があり、関東から西の太平洋側の地方では2月上旬からの注意が必要です。
花粉本格飛散前に取るべき対策
- 花粉数は全国的に増加しており、2023年のように花粉の大量飛散が予想されるシーズンでは、花粉の飛散が始まってから本格飛散になるまでの期間が短くなる傾向がありますので、早めに対策をとるようにしましょう。
- 昨年の花粉シーズンに、早く花粉症の症状が出た人は少量の花粉でも発症する可能性がありますので、花粉の飛散開始のニュースを聞いたらすぐに対応できるよう、早めに花粉症のお薬を用意するように習慣づけましょう。
- 花粉がピークになる2月末から3月は試験のシーズンですので、特に花粉症の学生さんは、花粉症のお薬を選択する際には、眠気や鈍脳(インペアード・パフォーマンス)を引き起こしにくいお薬を選ぶよう注意しましょう。
NPO花粉情報協会 理事
村山 貢司 先生
花粉飛散量、飛散時期に関する情報の監修をしていただきました。
2022年花粉飛散量と花粉症患者数の推移
2022年の東京都大田区における飛散花粉数は4,147 個/㎠/シーズンであり前年の1.2 倍でしたが、総患者数は1,055 名で前年の0.9 倍でした。内訳では、初診患者数が0.9 倍、再診患者数が0.8 倍でした。2022年は2021年、2020年と同様に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を大きく受けた年でした。特に2022年1、2月はCOVID-19第6波の時期と重なったため、花粉飛散数が多いにも関わらず、前年と比較して初診患者数、再診患者数が低下したと考えられます。例年より1月に受診する患者が多いのは、前年同様コロナ禍での花粉症治療(飛沫防止やCOVID-19 との鑑別)の啓蒙が都民に浸透し、早めの診断治療を希望した患者が増加したためと考えられます。また、COVID-19と花粉症の違いが患者にはわかりにくいため、症状が軽微でも両者の鑑別を求めて早めに受診した患者も多かった印象があります。花粉飛散数のピークが3月第4週であったにもかかわらず、初診患者の終息が3月第4週であったのも、花粉症の早期治療が浸透したために人数のピークアウトが早かったと考えられます。患者総数は昨年より少なかったものの、初診患者数のピークは158 名/週で前年(130 人)の約1.2 倍であり、初診患者の立ち上がりからピークまでは6週間であり、前年(5週間)よりも1週間長かったです。これらは前年より花粉飛散数が多かったためと考えられます。
週毎の飛散数と患者数
花粉数:大田区のダーラム測定器で測定したデータより。
患者数:世田谷区の浅香耳鼻咽喉科クリニックを受診した花粉症患者数より(初期治療患者数は除く)
2022年(令和4年)
2021年(令和3年)
2023年の傾向と対策
例年、スギ花粉症は2月の中旬頃から飛び始めます。実際には1月と2月の気温の影響を受けるので、暖かくなり始めたら注意が必要です。飛散開始前でも少量の花粉が飛んでいる日があるので、敏感な人は反応して症状が現れます。花粉症と新型コロナウイルス感染症は、鼻汁や咳など症状が類似しているので、症状があらわれた場合は早めに医療機関を受診しましょう。2023年のスギ、ヒノキ花粉は例年より多い飛散量が予想されます。早期に薬を使用すれば効果的に症状を抑え込めます。また、花粉症によるくしゃみや鼻汁の予防は、新型コロナ感染症の飛沫対策としても重要ですので早めの治療を心がけましょう。
浅香耳鼻咽喉科クリニック 院長
東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科 非常勤講師
浅香 大也 先生
花粉飛散量と患者数の推移に関する情報を提供していただきました。
花粉症の付き合い方
普段の生活や職場で使える対策マンガとみんなの花粉症の悩みをリアルタイムでお知らせするアンケートをご紹介。
早めの服用で花粉シーズンの鼻ムズが軽減!?
出典:大久保公裕(著)「あなたの知らない花粉症の治し方」〈暮しの手帖〉より作成(著者の了承を得て一部改変)