症状・疾患を知ろう

頭痛

多くの人が悩まされている頭痛。頭痛について正しい原因や症状のタイプを知ることで、頭痛に悩まされない毎日を目指しましょう。

頭痛の図版

頭痛の原因

頭痛の原因は様々です。
クモ膜下出血や脳腫瘍など、頭部の大きな病気が原因の頭痛もありますが、いわゆる「頭痛持ち」と言われる人の多くの場合は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つに代表される「慢性頭痛」です。これらは首や頭部周辺の筋肉の緊張や、頭部の血管の拡張などによって起こると考えられています。緊張型頭痛と片頭痛は、混在する人もいます。

頭痛の種類と症状

ズキンズキンとした、脈打つような痛みの「片頭痛」

片頭痛は、頭の片側または両側に、ズキンズキンと脈打つような痛み(拍動性)が起こるのが特徴です。何らかの要因で頭部の血管が拡張し、炎症が起こって痛みが引き起こされるといわれています。顔面の知覚神経である三叉神経が影響しているともいわれていますが、はっきりとは解明されていません。

また、頭痛とともに吐き気やおう吐、音に敏感になるなどの症状が出る人もいます。さらに人によっては、頭痛が起こる前に、光がまぶしく感じるなどの症状が出ます。片頭痛は、体を動かすと痛みが強くなるため、ひどくなると起き上がることもできずに仕事や日常生活に影響をきたします。
女性では、女性ホルモンが関係し、生理前に片頭痛で悩まされる人も少なくありません。その他に、気圧や寒暖の差が関係する場合もあります。

重苦しい痛みの「緊張型頭痛」

緊張型頭痛は、頭全体がギューっと締め付けられるような痛みや頭重感を伴います。デスクワークやパソコン作業、精神的なストレスで肩から首の筋肉が緊張し、血行が悪くなるために起こるもので、肩こりや首の痛み、眼の疲れを伴うこともよくあります。

強い痛みが続く「群発頭痛」

眼の奥が強くえぐられるような激しい頭痛が、1~2ヶ月ほど集中して毎日起こるものです。一度症状が出始めると、毎日のようにほぼ同じ時間に頭痛があらわれるようになります。専門医の診察を受けるようにしましょう。

頭痛の時の対処法

頭痛の時の対処法

ストレスを避け、リラックスを心がけて

頭痛の原因は様々です。クモ膜下出血や脳腫瘍など、頭部の大きな病気が原因の頭痛もありますが、いわゆる「頭痛持ち」と言われる人の多くの場合は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つに代表される「慢性頭痛」です。これらは首や頭部周辺の筋肉の緊張や、頭部の血管の拡張などによって起こると考えられています。緊張型頭痛と片頭痛は、混在する人もいます。

緊張型頭痛は、筋肉の緊張により血行が悪くなっているので、肩や首、眼の上を温めて、こりをほぐすと効果的とされています。いわゆる「頭痛持ち」の人は、片頭痛と緊張型頭痛の両方の痛みが混合で襲ってくることもあります。ひどい痛みが繰り返される時は、専門医の診察を受けるようにしましょう。

いつもと違う頭痛の時は、すぐに受診して

頭痛には、くも膜下出血など頭部の大きな病気が原因の場合があります。

  • これまで経験したことのない強い頭痛が突然表れた時
  • 手足の麻痺やしびれ・けいれんを伴う頭痛
  • 激しいおう吐、高熱、意識の混濁などを伴う頭痛

このような時は、早急な処置が命を守ることにつながります。脳神経外科などの専門科のある病院を受診してください。

痛みのメカニズムと頭痛薬

痛みの伝達

頭痛などの痛みを引き起こす原因物質とされるのが、プロスタグランジンです。組織がダメージを受けると、細胞から放出されたアラキドン酸にシクロオキシゲナーゼという酵素が作用し、プロスタグランジンが生成されます。このプロスタグランジンが炎症を引き起こして、痛みや熱などの症状となります。さらに、引き起こされた炎症はアラキドン酸からの生成をより促進し、プロスタグランジンをさらに増やしていく…という、痛みが痛みを呼ぶメカニズムがあるのです。

頭痛薬に含まれる成分には、イブプロフェンやアセトアミノフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、エテンザミドなどがありますが、これらの多くは、プロスタグランジンの生成にかかわる酵素のシクロオキシゲナーゼをブロックし、痛みのメカニズムを抑えこむ働きをします。したがって、痛みが始まったら早めに頭痛薬を服用することが、プロスタグランジンの生成を抑え、痛みを効果的に和らげることにつながるのです。

イブプロフェンの図版

イブプロフェンとは

頭痛薬の有効成分として、すでにおなじみの「イブプロフェン(Ibuprofen)」ですが、もともと病院で処方される医療用医薬品として1960年代にイギリスで開発されました。
アスピリンなどと同じように、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑え、すばやくすぐれた効き目をあらわす成分です。
また、痛みの悪化に関連する炎症反応も抑えることでバランスのよい解熱・鎮痛・抗炎症作用を持ち、同効の頭痛薬の中では胃腸障害の副作用が比較的少ないという特長もあります。
イブプロフェンは、現在では世界各国でOTC医薬品として販売される成分で、日本では1985年12月に医療用医薬品から転換したスイッチOTC医薬品「イブ」として発売されました。