症状・疾患を知ろう

胃痛

胃痛・胸やけなどの胃の不調をついついガマンして放置していませんか?まずは速やかに適切な処置を心がけることが大切です。

胃痛の図版

胃痛とは

シクシク痛む、キリキリ痛む、キューッと痛む…。
そんな胃痛を感じたことはありませんか?胃痛には、ストレスや暴飲暴食など、さまざまな要因があげられます。また疾患などが原因となって起こる胃痛は、放置していると悪化する可能性もあるため、注意を払わなければいけません。

胃痛の要因

さまざまな要因で起こる胃痛

胃痛は、仕事や人間関係のストレス、不規則な生活や暴飲暴食などにより、胃の消化と粘膜の防御機能がアンバランスになることで起こります。また時として鎮痛剤やかぜ薬の服用により起こる場合もあります。胃痛といってもこのようにさまざまな要因があるので、自分の胃痛の要因を知ることが胃痛治療には欠かせません。

疾患による胃痛

疾患による胃痛は、おもに胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ピロリ菌の感染などによるものです。胃の不調が長く続く場合は、上記の他に、胃がんなどの疑いもあるので、早めに医師の診断を受けましょう。

胃痛の対策

胃痛の対策の図版

生活環境や習慣による胃への負担は、毎日のちょっとした心がけで改善できることも少なくありません。 できるだけ暴飲暴食は避け栄養バランスの取れた食生活に配慮する、刺激物は控えめにする、また、休日や余暇を使って十分な休息を取り、運動や外出などで気分転換をはかるなどといったことが、胃にとって良い状態をもたらします。

それでも胃痛が起こってしまったときには、胃酸分泌を抑制する医薬品などによる早めの処置が必要な場合があります。痛みや不調を感じたら、ガマンせず、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。

胃痛の原因となる主な要因

  • 仕事や人間関係などのストレス
  • 飲み過ぎ、食べ過ぎ
  • 寝不足や不規則な生活

胃痛を発症しにくくする代表的な対策

  • 栄養バランスの取れた食生活
  • お酒、食事の適量を守る
  • ストレスをためない工夫
  • 気分転換や適度な運動、十分な睡眠と規則正しい生活

胃痛のメカニズムと胃腸薬

胃の内部には、消化や殺菌など、重要な働きをする胃液が分泌されています。胃液とは、胃酸(塩酸)、ペプシノーゲン、胃粘液の3つの成分で構成されるもので、特にさまざまな役割を示すのが、胃酸(塩酸)という強い酸性の消化液です。胃痛の多くは、この胃酸が過剰になり、さらにタンパク質を分解するペプシンも増加し、胃の粘膜にダメージを与えることから起こります。

●胃液の成分とそのはたらき

成分 はたらき
胃酸(塩酸) 消化酵素の活性化や殺菌。強い酸性。
ペプシノーゲン ペプシンに変わり、タンパク質を分解する。
胃粘液 胃粘膜から分泌され、胃酸などから胃壁を守る。

胃痛をターゲットにした胃腸薬の役割は、増えすぎた胃酸を中和、もしくは出過ぎた胃酸分泌を抑制し、荒れた胃の粘膜を保護することにあります。現在、市販されている胃腸薬には、出過ぎた胃酸分泌を抑える代表的な成分「H2ブロッカー」または「M1ブロッカー」が配合されており、なかでも「M1ブロッカー」は、OTC医薬品分類の中で第2類医薬品に分類され、取扱いが広く入手しやすい医薬品です。

M1ブロッカー図版

M1ブロッカー

「M1ブロッカー」(ムスカリン受容体拮抗薬)は、胃酸分泌抑制剤として知られる成分で、ピレンゼピン塩酸塩水和物が該当します。まず、胃酸は副交感神経からの刺激によりムスカリン受容体(M1受容体)とよばれるスイッチが働くことによって、胃壁から分泌されます。「M1ブロッカー」は、この胃酸分泌を促すM1受容体をブロックして、過剰な胃酸分泌を抑制します。

また、「M1ブロッカー」であるピレンゼピン塩酸塩水和物は、胃酸を抑える作用だけでなく、胃粘液の分泌を増やして荒れた胃を保護する作用でも注目されています。

胃の不調を感じたら、医師や薬剤師に相談のうえ、このような医薬品で早めの処置を行い、症状を緩和するとともに悪化を防ぐことに役立てましょう。